ウイルス生物物理学:創薬モダリティへの貢献

「1. はじめに」2019年末から発生した新型コロナウイルスSARSCoV-2のパンデミック(COVID-19)は世界を一変させ, 一刻も早いワクチン・治療薬・治療抗体・予防薬等の開発や予防法の確立が望まれている. 本解説では, 新型コロナウイルスを含む代表的なウイルスについて, 筆者らの研究を含む具体的な例を挙げ, 低分子化合物から抗体, ワクチン開発に貢献する生物物理学的解析手法を解説する. さらに, 今後想定される新興再興ウイルス感染症に対する創薬モダリティとクライオ電子顕微鏡等の最新分析技術との組み合わせについての展望を考えたい. 「2. ウイルスタンパク質に対する低分子薬剤」抗ウイル...

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Veröffentlicht in:生物物理 2021, Vol.61(2), pp.082-089
Hauptverfasser: 前仲, 勝実, 福原, 秀雄, 橋口, 隆生, M., CAAVEIRO Jose M., 長門石, 曉, 黒田, 大祐, 津本, 浩平
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「1. はじめに」2019年末から発生した新型コロナウイルスSARSCoV-2のパンデミック(COVID-19)は世界を一変させ, 一刻も早いワクチン・治療薬・治療抗体・予防薬等の開発や予防法の確立が望まれている. 本解説では, 新型コロナウイルスを含む代表的なウイルスについて, 筆者らの研究を含む具体的な例を挙げ, 低分子化合物から抗体, ワクチン開発に貢献する生物物理学的解析手法を解説する. さらに, 今後想定される新興再興ウイルス感染症に対する創薬モダリティとクライオ電子顕微鏡等の最新分析技術との組み合わせについての展望を考えたい. 「2. ウイルスタンパク質に対する低分子薬剤」抗ウイルス薬として, 低分子は最もよく用いられており, ウイルスの種類に応じて様々なタイプが知られている. 抗ウイルス低分子薬剤には, 直接作用するタイプ, 間接的に作用するタイプ, そして支持療法タイプがある.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.61.082