開閉可能な人工タンパク質ケージの構造と性質

「1. 人工タンパク質で可能なアーキテクチャ」生体分子を使ったナノスケール構造体の構築例としてはDNA折り紙が最も有名だろう. しかしタンパク質を使用した試みも忘れてはならない. 本稿では, 従来は想像できなかった形状と性質を兼ね備えたタンパク質+金属のナノスケール構造体の作製に成功したので紹介する. 天然のタンパク質を改変して, それらの会合により天然にはない機能をもった人工ナノデバイスや人工ナノマシンなどナノスケールの構造体を創出するのがこの研究分野における研究者の夢である. しかし, タンパク質を改変し, 狙い通りに会合体を作り出すのは非常に難しい. その最大の理由は, タンパク質間の結...

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Veröffentlicht in:生物物理 2020, Vol.60(3), pp.153-156
Hauptverfasser: 岩崎, 憲治, 宮崎, 直幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 人工タンパク質で可能なアーキテクチャ」生体分子を使ったナノスケール構造体の構築例としてはDNA折り紙が最も有名だろう. しかしタンパク質を使用した試みも忘れてはならない. 本稿では, 従来は想像できなかった形状と性質を兼ね備えたタンパク質+金属のナノスケール構造体の作製に成功したので紹介する. 天然のタンパク質を改変して, それらの会合により天然にはない機能をもった人工ナノデバイスや人工ナノマシンなどナノスケールの構造体を創出するのがこの研究分野における研究者の夢である. しかし, タンパク質を改変し, 狙い通りに会合体を作り出すのは非常に難しい. その最大の理由は, タンパク質間の結合が幅広い領域にわたる"面と面"の複雑な相互作用ネットワークで構成されているからであろう. 正二十面体のウイルスキャプシドのような天然の会合体を見ればわかるが, あのような複雑な組み合わせを人工的な設計においてシミュレートしたり, 予測することは甚だ困難である.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.60.153