分子動力学シミュレーションとNMR法で迫るべん毛モーターの回転制御機構

「1. はじめに」生体高分子の機能を詳細に解明するためには, その立体構造を動的な観点から理解することが必要となる. 特に, 蛋白質が有する "揺らぎ" は, 生命機能の発現と密接に関連することが示唆されており, 盛んに研究されている. 蛋白質の動態構造を原子分解能で明らかにする手法は, クライオ電子顕微鏡, X線結晶構造解析等が挙げられるが, その中でも核磁気共鳴 (nuclear magnetic resonances : NMR) 法は, 幅広い時間域の動態を捉えることができるユニークな手法である. 近年では, 立体整列同位体標識 (stereo array isot...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:生物物理 2018, Vol.58(5), pp.251-254
Hauptverfasser: 宮ノ入, 洋平, 土方, 敦司, 本間, 道夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」生体高分子の機能を詳細に解明するためには, その立体構造を動的な観点から理解することが必要となる. 特に, 蛋白質が有する "揺らぎ" は, 生命機能の発現と密接に関連することが示唆されており, 盛んに研究されている. 蛋白質の動態構造を原子分解能で明らかにする手法は, クライオ電子顕微鏡, X線結晶構造解析等が挙げられるが, その中でも核磁気共鳴 (nuclear magnetic resonances : NMR) 法は, 幅広い時間域の動態を捉えることができるユニークな手法である. 近年では, 立体整列同位体標識 (stereo array isotope labeling : SAIL) 法をはじめ, 高度な安定同位体標識技術が確立され, 40kDa以上の高分子量蛋白質においても精密な立体構造解析が可能となった. また, アミノ酸残基側鎖が関与する交換運動を定量的に捉える手法も開発されている.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.58.251