卵管のヒダのパターン形成における機械的な力の役割

「1. 管腔組織・器官のヒダの形態パターン」多細胞生物の組織・器官は多様な形態を示す. 本稿では, 主に卵管や腸管などの管腔組織・器官の内側(管腔側)に形成されるヒダの形態パターンの形成機構について述べる. 小腸の管腔側には, 微小な絨毛突起だけでなく, 管の円周方向に沿った大きなヒダ(横ヒダ)が形成されていることがよく知られている. 卵管, 胃, 気管, 食道などにおいてもヒダが見られ, その形態は, 横ヒダだけでなく, 管に沿ったパターン(縦ヒダ), ランダム, ジグザグなど多種多様である. これらのヒダは, それぞれの組織・器官の生理的機能との関係も示唆されている. 例えば, 卵管におけ...

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Veröffentlicht in:生物物理 2017, Vol.57(5), pp.259-261
Hauptverfasser: 小山, 宏史, 石, 東博, 藤森, 俊彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 管腔組織・器官のヒダの形態パターン」多細胞生物の組織・器官は多様な形態を示す. 本稿では, 主に卵管や腸管などの管腔組織・器官の内側(管腔側)に形成されるヒダの形態パターンの形成機構について述べる. 小腸の管腔側には, 微小な絨毛突起だけでなく, 管の円周方向に沿った大きなヒダ(横ヒダ)が形成されていることがよく知られている. 卵管, 胃, 気管, 食道などにおいてもヒダが見られ, その形態は, 横ヒダだけでなく, 管に沿ったパターン(縦ヒダ), ランダム, ジグザグなど多種多様である. これらのヒダは, それぞれの組織・器官の生理的機能との関係も示唆されている. 例えば, 卵管における縦ヒダは, 卵巣から排卵された卵を子宮に輸送するために重要だと考えられている. ヒダは, 管腔組織・器官だけでなく, 脳や動物の初期胚などでも見られることから, ヒダの形成は多細胞生物において広く観察される形態形成の1つと言える.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.57.259