磁性細菌オルガネラ「マグネトソーム」の構造機能相関の解明

「1. はじめに」 磁性細菌の特徴は, 細胞内にリン脂質膜で覆われた単結晶マグネタイト(Fe3O4)あるいは単結晶グレガイト(Fe3S4)の磁気微粒子(マグネトソーム)を持ち, それらを直鎖状に配置していることである. 今日までに6種類の磁性細菌(Magnetospirillum magnetotacticum MS-1, M.magneticum AMB-1, M.gryphiswaldense MSR-1, Magnetococcus marinus MC-1, Magnetovibrio Blakemorei MV-1, Desulfovibrio magneticus RS-1)の純粋...

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Veröffentlicht in:生物物理 2014, Vol.54(1), pp.011-014
Hauptverfasser: 福森, 義宏, 田岡, 東
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 磁性細菌の特徴は, 細胞内にリン脂質膜で覆われた単結晶マグネタイト(Fe3O4)あるいは単結晶グレガイト(Fe3S4)の磁気微粒子(マグネトソーム)を持ち, それらを直鎖状に配置していることである. 今日までに6種類の磁性細菌(Magnetospirillum magnetotacticum MS-1, M.magneticum AMB-1, M.gryphiswaldense MSR-1, Magnetococcus marinus MC-1, Magnetovibrio Blakemorei MV-1, Desulfovibrio magneticus RS-1)の純粋培養が成功し, これらの細菌のゲノムデータが解読されている. 図1は, M.magnetotacticum MS-1の電子顕微鏡写真であり, 本細菌では平均20~30個のマグネトソームが細胞中央で1本の鎖を形成している. 磁性細菌の形成するマグネタイト結晶やグレガイト結晶は, 均質な結晶型を有し, 単磁区構造を保持する大きさ(約35~100nm)に制御されており, 効率的な磁石としての性質を備えている.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.54.011