脊椎動物新規紫外光受容タンパク質~ヒトも紫外線を感じる

「1.はじめに」 多くの動物は, 外界からの光情報を受容しその行動に反映させている. 視覚によりものの色や形を認識するだけでなく, 光環境の変化から時刻や季節を認識したり, 体色を変化させたりする. このような光受容において, 視覚のロドプシンに代表されるオプシン類が重要な働きをすると考えられている. オプシン類は, レチナールを発色団としGタンパク質を活性化するGタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor; GPCR)の一員であり, そのアミノ酸配列を多様化することにより受容する光の波長や活性化するGタンパク質の種類を変化させている(図1)1), 2). ヒ...

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Veröffentlicht in:生物物理 2011, Vol.51(4), pp.186-187
1. Verfasser: 山下, 高廣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1.はじめに」 多くの動物は, 外界からの光情報を受容しその行動に反映させている. 視覚によりものの色や形を認識するだけでなく, 光環境の変化から時刻や季節を認識したり, 体色を変化させたりする. このような光受容において, 視覚のロドプシンに代表されるオプシン類が重要な働きをすると考えられている. オプシン類は, レチナールを発色団としGタンパク質を活性化するGタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor; GPCR)の一員であり, そのアミノ酸配列を多様化することにより受容する光の波長や活性化するGタンパク質の種類を変化させている(図1)1), 2). ヒトゲノムには視覚にかかわる4つ(桿体視物質ロドプシンと3種類の錐体視物質)を含む9つのオプシン類が同定されているが, この中で最後に見つかったOpn5を含むグループについて今回解析を行った結果, 紫外光を受容するGPCRとして機能することを見いだした3). 「2.Opn5の分子的性質」 Opn5は最初ヒトとマウスのゲノムから同定され, 眼の網膜と脳においてそのmRNAの存在が確認された4).
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.51.186