DNAクランプと複製因子の切換え機構

「1. はじめに」DNAの複製・修復・組換えには多数のタンパク質因子がかかわり, DNA上でレプリソームなどの巨大な超分子複合体を形成している. これらの超分子複合体は, 反応の各段階で構成因子の会合および解離を適宜行うことで適切に複合体を再編成させて, 一連の反応を綿密に制御している. したがってその機構を理解するためには, 個々の構成因子の結晶構造だけでは不十分であり, 複合体全体の構造解析が必須であるが, DNAを含みかつこのように常に構造変化を伴う複合体の結晶化は容易ではない. 電子顕微鏡による単粒子解析は, 直接可視化した複合体の多数の粒子像から立体構造を得るため, 結晶化を行う必要...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:生物物理 2010, Vol.50(1), pp.032-033
Hauptverfasser: 真柳, 浩太, 清成, 信一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」DNAの複製・修復・組換えには多数のタンパク質因子がかかわり, DNA上でレプリソームなどの巨大な超分子複合体を形成している. これらの超分子複合体は, 反応の各段階で構成因子の会合および解離を適宜行うことで適切に複合体を再編成させて, 一連の反応を綿密に制御している. したがってその機構を理解するためには, 個々の構成因子の結晶構造だけでは不十分であり, 複合体全体の構造解析が必須であるが, DNAを含みかつこのように常に構造変化を伴う複合体の結晶化は容易ではない. 電子顕微鏡による単粒子解析は, 直接可視化した複合体の多数の粒子像から立体構造を得るため, 結晶化を行う必要がなく, このようなシステムの機能構造の解析に適している. 「2. DNAクランプPCNA」DNAポリメラーゼはクランプと総称されるドーナツ状の分子に結合することでDNAから外れることなく効率よく複製を行う.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.50.032