2光子蛍光寿命測定による神経細胞シナプス内情報伝達の可視化
「1. はじめに」中枢神経系の興奮性シナプスにおいて, 後シナプスは, マッシュルームのような形をした直径0.5μm程度の突起になっており, この構造をスパインとよぶ1). 記憶学習の基盤となるシナプス可塑性は, スパイン内部のシグナル伝達経路の活性化によって発生すると考えられているが, その仕組みは未解明の部分がまだ多い. これは, 従来の可塑性に関する研究では薬剤を用いた電気生理学的な方法や形態学的方法が主流であったため, 実際に, スパイン内でシグナル分子がどのようなタイムコース, 空間分布で活性化するのかといったことは調べようがなかったからである. 2光子蛍光寿命イメージング法(2pF...
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Veröffentlicht in: | 生物物理 2010, Vol.50(1), pp.023-026 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」中枢神経系の興奮性シナプスにおいて, 後シナプスは, マッシュルームのような形をした直径0.5μm程度の突起になっており, この構造をスパインとよぶ1). 記憶学習の基盤となるシナプス可塑性は, スパイン内部のシグナル伝達経路の活性化によって発生すると考えられているが, その仕組みは未解明の部分がまだ多い. これは, 従来の可塑性に関する研究では薬剤を用いた電気生理学的な方法や形態学的方法が主流であったため, 実際に, スパイン内でシグナル分子がどのようなタイムコース, 空間分布で活性化するのかといったことは調べようがなかったからである. 2光子蛍光寿命イメージング法(2pFLIM)は脳などの組織内でシグナル分子の活性や相互作用をシナプスレベルの高い解像度でイメージングできる技術である. 本稿では, Caged-glutamate による可塑性誘起時のCamKII(Ca2+/calmodulin-dependent protein kinases II)とsmall GTPaseであるRasの活性化を可視化した例について紹介する. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.50.023 |