タンパク質のドメイン構成の情報から作成したゲノムの樹

生物種間の系統関係を樹状図で表現する試みは, 古来より形態, 生化学的特性, 遺伝子・タンパク質の1次構造などさまざまな生物特性に基づいて行われてきた1). 近年ゲノム配列が多くの生物種で決定されたことで, そこにゲノム情報を用いるという新たなアプローチが加わった. ここで紹介する方法2)も, こうした流れの中で開発された系統樹作成法の1つである. 1. ドメイン構成とは ゲノム情報を取り扱うことはしばしば, 膨大な情報量との戦いを意味する. いかにしてそこから, より本質的かつ少量の情報を抽出してくるか. 私たちは, ゲノムにコードされているタンパク質がもつドメイン構成という形で抽出してくる...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:生物物理 2008, Vol.48(4), pp.243-245
Hauptverfasser: 深海, 薫, 西川, 建
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:生物種間の系統関係を樹状図で表現する試みは, 古来より形態, 生化学的特性, 遺伝子・タンパク質の1次構造などさまざまな生物特性に基づいて行われてきた1). 近年ゲノム配列が多くの生物種で決定されたことで, そこにゲノム情報を用いるという新たなアプローチが加わった. ここで紹介する方法2)も, こうした流れの中で開発された系統樹作成法の1つである. 1. ドメイン構成とは ゲノム情報を取り扱うことはしばしば, 膨大な情報量との戦いを意味する. いかにしてそこから, より本質的かつ少量の情報を抽出してくるか. 私たちは, ゲノムにコードされているタンパク質がもつドメイン構成という形で抽出してくるという方法をとった. そのためにまず, ゲノムにコードされている各タンパク質がどのようなドメインをもつか, GTOPデータベース3)からデータを得た. GTOPデータベースは, ゲノムにコードされている全タンパク質の配列データを解析し, 結果をまとめたデータベースであるが, その中のドメイン予測の結果を用いたのである.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.48.243