哺乳類ヘモグロビンの協同作用とボーア効果は協調して酸素の獲得と輸送を行っている ―規範タンパク質における新たな視点
「1. はじめに」ヘモグロビン(Hb)の生理機能は, (1)肺から末梢組織への酸素(O2)の輸送, (2)逆方向への二酸化炭素(CO2)の輸送, (3)血液の酸・塩基平衡の調節(pHの調節)である. O2輸送のようすは, 酸素分圧(P, PO2)に対するO2飽和度(S)の依存性を表す酸素平衡曲線(oxygen equilibrium curve, OEC, S vs. P plot)によって理解される. いわゆるヘム間相互作用(協同作用)により, OECは端正なS字形を示す. HbのO2結合特性は, O2親和性(OECの位置, 50%O2飽和度を与えるO2分圧, P50), 協同作用(OECの...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 生物物理 2007, Vol.47(3), pp.167-173 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「1. はじめに」ヘモグロビン(Hb)の生理機能は, (1)肺から末梢組織への酸素(O2)の輸送, (2)逆方向への二酸化炭素(CO2)の輸送, (3)血液の酸・塩基平衡の調節(pHの調節)である. O2輸送のようすは, 酸素分圧(P, PO2)に対するO2飽和度(S)の依存性を表す酸素平衡曲線(oxygen equilibrium curve, OEC, S vs. P plot)によって理解される. いわゆるヘム間相互作用(協同作用)により, OECは端正なS字形を示す. HbのO2結合特性は, O2親和性(OECの位置, 50%O2飽和度を与えるO2分圧, P50), 協同作用(OECのS字性), O2親和性のpH依存性(Bohr効果, H+によるアロステリック効果)などで表される. OECにS字性をもたらす協同作用は, 静脈血でのOECの勾配を急峻にし, わずかなPO2低下が多量のO2の放出をもたらすことから, その意義が説明されているが, いまだかってその勾配が定量的に検討されたことはなく, 最大勾配を与えるS値も明らかではない. |
---|---|
ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.47.167 |