生物物理若手奨励賞 ―発足の背景と第1回選考経過報告

「発足の背景」日本生物物理学会は創立以来, 賞というものを設けてこなかった. 賞を出さないことと, 上下を意識しない自由な雰囲気とが表裏一体となって, 生物物理学会のよさが形成されてきたともいえる. 先達が築いてきたよき伝統は継承したい. ところが近年, 研究活動を取り巻く環境が急速に変わりつつあり, 研究者はさまざまな形と局面で“比較と競争”を意識し, 学会としても“時代の流れ”を強く意識せざるを得なくなった. 社会の中における研究活動の位置づけが大きく変わり, 研究成果の社会的還元の必要性や各学問分野の存在意義も問われるようになった. それとともに, 最先端の研究が求める高度な科学技術の開...

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Veröffentlicht in:生物物理 2006, Vol.46(1), pp.46-48
Hauptverfasser: 石渡, 信一, 木寺, 詔紀, 難波, 啓一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「発足の背景」日本生物物理学会は創立以来, 賞というものを設けてこなかった. 賞を出さないことと, 上下を意識しない自由な雰囲気とが表裏一体となって, 生物物理学会のよさが形成されてきたともいえる. 先達が築いてきたよき伝統は継承したい. ところが近年, 研究活動を取り巻く環境が急速に変わりつつあり, 研究者はさまざまな形と局面で“比較と競争”を意識し, 学会としても“時代の流れ”を強く意識せざるを得なくなった. 社会の中における研究活動の位置づけが大きく変わり, 研究成果の社会的還元の必要性や各学問分野の存在意義も問われるようになった. それとともに, 最先端の研究が求める高度な科学技術の開発に多大な費用を要することから, 基礎科学分野に投じられる研究費は着実に増加している. その結果, 特に先端技術を駆使する分野では, 高額の研究資金を獲得できるか否かが, 研究の量のみならず質をも左右する状況となっている.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.46.46