フラビンを発色団とする新規青色光受容体BLUFタンパク質の光反応と機能
「1. はじめに」太陽の放射光は, 光合成反応を通じて地球上におけるほぼすべての生物の活動に必要なエネルギーを供給する一方, 含まれる紫外線は染色体DNAにしばしば損傷を与える. そのため現存する生物は, 自身の生理反応を外界の光環境変動に適応させる独自の機構を獲得してきたと考えられる. 青色光はその中でも植物や微生物のさまざまな光応答現象に利用されており, 現在までにクマル酸またはフラビンを発色団としてもつ数種の青色光受容体が確認されている. フラビンを発色団としてもつ光受容体は, 高等植物より見いだされたクリプトクロム(cryptochrome)とフォトトロピン(phototropin)が...
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Veröffentlicht in: | 生物物理 2005, Vol.45(6), pp.308-313 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」太陽の放射光は, 光合成反応を通じて地球上におけるほぼすべての生物の活動に必要なエネルギーを供給する一方, 含まれる紫外線は染色体DNAにしばしば損傷を与える. そのため現存する生物は, 自身の生理反応を外界の光環境変動に適応させる独自の機構を獲得してきたと考えられる. 青色光はその中でも植物や微生物のさまざまな光応答現象に利用されており, 現在までにクマル酸またはフラビンを発色団としてもつ数種の青色光受容体が確認されている. フラビンを発色団としてもつ光受容体は, 高等植物より見いだされたクリプトクロム(cryptochrome)とフォトトロピン(phototropin)が有名である1). 1993年に茎の伸張制御の因子として同定されたクリプトクロムは, その後, アントシアニン合成, 概日リズム, 開花制御等に関与することがわかった. 1997年に光屈性の制御因子として同定されたフォトトロピンは, その後, 葉緑体運動や気孔開口制御等にかかわることが明らかにされた. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.45.308 |