セミインタクト細胞を用いた細胞内イベントの可視化解析

「1. はじめに」一般に, タンパク質は「本来それが機能する場所」で最適な機能を発揮する. つまり, タンパク質にとってはその機能発現のための「環境・場」が重要で, 機能発現を制御する他のタンパク質や脂質などの補助因子が集積し機能発現を最適化させている. したがって, これからのタンパク質研究においては, 個々の細胞の生理状態(細胞周期, 時刻など)の変化を特定しながら, かつ細胞の「局所」で起こる生命現象のダイナミズムを検出し解析することが必要不可欠である. そのためには, タンパク質が本来機能する「場所」と「時間」において, 分子レベルで定量的に解析できる実験系が必要となる. この期待に応...

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Veröffentlicht in:生物物理 2005, Vol.45(3), pp.153-156
Hauptverfasser: 山内, 忍, 田中, 亜路, 加納, ふみ, 村田, 昌之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」一般に, タンパク質は「本来それが機能する場所」で最適な機能を発揮する. つまり, タンパク質にとってはその機能発現のための「環境・場」が重要で, 機能発現を制御する他のタンパク質や脂質などの補助因子が集積し機能発現を最適化させている. したがって, これからのタンパク質研究においては, 個々の細胞の生理状態(細胞周期, 時刻など)の変化を特定しながら, かつ細胞の「局所」で起こる生命現象のダイナミズムを検出し解析することが必要不可欠である. そのためには, タンパク質が本来機能する「場所」と「時間」において, 分子レベルで定量的に解析できる実験系が必要となる. この期待に応えられる解析システムのひとつとして, 筆者らの研究室で構築した「細胞内タンパク質機能解析システム」を紹介する. 「細胞内タンパク質機能解析システム」は, 最近, クラゲ緑色蛍光タンパク質(GFP)を中心としたさまざまな蛍光プローブの開発や蛍光顕微鏡システムの性能向上にともない急速な進展を見せる「光学顕微鏡による可視化技術」と, 細胞質の置換が可能な「セミインタクト細胞系」を組み合わせた世界に類を見ない解析システムである1).
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.45.153