ミオシンホスファターゼ阻害タンパク質 CPI-17の構造と機能
「1. はじめに」セリン/トレオニン残基のリン酸化/脱リン酸化※は真核生物の細胞内情報伝達において主要な役割を果たしている. 一般に, 休止中の細胞内ではセリン/トレオニンホスファターゼ(脱リン酸化酵素)の活性が高く, 細胞内リン酸化レベルは低く抑えられている. そして, 細胞が刺激を受けると, キナーゼ(リン酸化酵素)活性が上昇するとともに標的タンパク質のリン酸化レベルが増加する. しかしながら最近の研究結果から, 刺激時にはキナーゼの活性化と同時にホスファターゼ活性の阻害も起こっていることが明らかになってきた. この結果として, 相対的にリン酸化レベルが速やかに上昇するものと考えられる....
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Veröffentlicht in: | 生物物理 2005, Vol.45(2), pp.72-77 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」セリン/トレオニン残基のリン酸化/脱リン酸化※は真核生物の細胞内情報伝達において主要な役割を果たしている. 一般に, 休止中の細胞内ではセリン/トレオニンホスファターゼ(脱リン酸化酵素)の活性が高く, 細胞内リン酸化レベルは低く抑えられている. そして, 細胞が刺激を受けると, キナーゼ(リン酸化酵素)活性が上昇するとともに標的タンパク質のリン酸化レベルが増加する. しかしながら最近の研究結果から, 刺激時にはキナーゼの活性化と同時にホスファターゼ活性の阻害も起こっていることが明らかになってきた. この結果として, 相対的にリン酸化レベルが速やかに上昇するものと考えられる. 例えば, 血管平滑筋収縮においては, モータータンパク質であるミオシンがカルモジュリン(CaM)依存性のキナーゼ(MLCK)によってリン酸化される. ところが, ホルモンなどのアゴニスト刺激により細胞内のprotein kinase C(PKC)やRhoA依存キナーゼ(ROK)が活性化されるとミオシンホスファターゼ(MP)活性が低下し, それに伴いCa2+イオンに依存しない収縮が引き起こされる. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.45.72 |