バイオクリスタルデザイン

「1. はじめに」今日, タンパク質のX線結晶構造解析は, 専門家だけではなく一般のタンパク質研究者にも広く普及しはじめている. それは, タンパク質の立体構造から得られる情報の重要性と, 組換えタンパク質の発現・精製から回折データ収集を含む放射光設備, 解析ソフトなどの飛躍的な技術の進展のためである. このような中, 結晶化に関しては, スクリーニングキットや自動化装置1)などが開発されてきたが, 画期的な技術革新はなされてこなかったと言っても過言ではない. それは, 結晶化が難しい問題であるためと, 結晶作製が最終的な目標でないことによりその問題に取り組む研究者が少なかったためと思われる....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:生物物理 2005, Vol.45(1), pp.37-40
Hauptverfasser: 高野, 和文, 安達, 宏昭, 松村, 浩由, 井上, 豪, 森, 勇介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」今日, タンパク質のX線結晶構造解析は, 専門家だけではなく一般のタンパク質研究者にも広く普及しはじめている. それは, タンパク質の立体構造から得られる情報の重要性と, 組換えタンパク質の発現・精製から回折データ収集を含む放射光設備, 解析ソフトなどの飛躍的な技術の進展のためである. このような中, 結晶化に関しては, スクリーニングキットや自動化装置1)などが開発されてきたが, 画期的な技術革新はなされてこなかったと言っても過言ではない. それは, 結晶化が難しい問題であるためと, 結晶作製が最終的な目標でないことによりその問題に取り組む研究者が少なかったためと思われる. 今回は, 最近我々のグループが開発したいくつかの結晶化に関連する技術を紹介する. それらは従来のタンパク質結晶化ではみられなかった概念を導入している. これらを通して, タンパク質結晶化をもう一度考え, さらには新しい展開も描いてみたい.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.45.37