クリプトビオシス:驚異的な乾燥耐性をもつ生き物たち
「1. クリプトビオシスとは?」我々の身体の約80%は水からなり, 水は生命活動に不可欠と言っていい. 体重のわずか10-12%の脱水により, 我々の生命維持は困難になる(たとえば血液の粘性が高まり, 心臓の負担が増大することによって). 一方で, 身体からほぼ完全に脱水しても, 水に戻すと蘇生できる生き物たちが存在する. 120年前のコケの標本を水に戻したら, コケに付着していたワムシ(輪形動物門)やクマムシ(緩歩動物門)などの微生物が動き出したという話は, すでにレーベンフックの時代の18世紀初頭から知られており, その後に提唱される自然発生説の根拠となった. 1959年, ケンブリッジ大...
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Veröffentlicht in: | 生物物理 2004, Vol.44(4), pp.172-175 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. クリプトビオシスとは?」我々の身体の約80%は水からなり, 水は生命活動に不可欠と言っていい. 体重のわずか10-12%の脱水により, 我々の生命維持は困難になる(たとえば血液の粘性が高まり, 心臓の負担が増大することによって). 一方で, 身体からほぼ完全に脱水しても, 水に戻すと蘇生できる生き物たちが存在する. 120年前のコケの標本を水に戻したら, コケに付着していたワムシ(輪形動物門)やクマムシ(緩歩動物門)などの微生物が動き出したという話は, すでにレーベンフックの時代の18世紀初頭から知られており, その後に提唱される自然発生説の根拠となった. 1959年, ケンブリッジ大学のKeilinは, この微生物たちの無代謝状態での活動停止現象をクリプトビオシス(cryptobiosis)とよび, 低代謝状態の休眠(dormancy, 広義の休眠)と区別して定義した1). クリプトビオシスを行う生物は大きく2つに分けることができる. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.44.172 |