T4ファージの注射針複合体

「1. はじめに」T4ファージの収縮性尾部はファージの高い感染効率を可能にしている分子装置で, 約950Aの長さの二重円筒部分と, 直径約500Aで六回対称性の複雑な構造をもつ基盤から構成されている. 二重円筒の内筒(尾管)と外筒(収縮性尾鞘)は, それぞれ6分子のgp19(gp:gene product)およびgp18からなるリングが24層重なったものである. 尾鞘の立体構造については電子顕微鏡画像に基づく3次元再構成像が報告されている1). 基盤は中心部(hub)とこれを取り巻く6つの「くさび」(wedge)からなる. くさびは7種のタンパク質分子, gp11, gp10, gp7, gp...

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Veröffentlicht in:生物物理 2003, Vol.43(1), pp.21-24
Hauptverfasser: 金丸, 周司, 有坂, 文雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」T4ファージの収縮性尾部はファージの高い感染効率を可能にしている分子装置で, 約950Aの長さの二重円筒部分と, 直径約500Aで六回対称性の複雑な構造をもつ基盤から構成されている. 二重円筒の内筒(尾管)と外筒(収縮性尾鞘)は, それぞれ6分子のgp19(gp:gene product)およびgp18からなるリングが24層重なったものである. 尾鞘の立体構造については電子顕微鏡画像に基づく3次元再構成像が報告されている1). 基盤は中心部(hub)とこれを取り巻く6つの「くさび」(wedge)からなる. くさびは7種のタンパク質分子, gp11, gp10, gp7, gp8, gp6, gp53, gp25が, この順序で集合したもので, 各サブユニット数も明らかにされている. これに対して, 中心部の形成には6種のタンパク質, gp5, gp27, gp29, gp26, gp28, gp51が関与することが明らかにされているが, これらのタンパク質の集合過程における役割は未解明の部分が多い.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.43.21