アミロイド-形成機構と新規材料としての可能性

「1. 序:アミロイド線維」「生合成されるタンパク質は, そのアミノ酸配列に特異的な立体構造を形成する. 」このことは, ある種, 自明の概念とされている. しかしながら, 病気などの条件下, あるいは, 正常な細胞内においても, 生合成されたすべてのタンパク質が, 特異的な立体構造に折れ畳まれるわけではない1),2). ミスフォールドしたタンパク質は形態の異なる凝集体をしばしば形成する. その中で, 最近, 注目されているのはアミロイド線維(病理学では「繊維」ではなく「線維」)である. アミロイド線維とは, アルツハイマー症候群の患者などに見られるペプチド凝集体である. 現在では, 20種類...

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Veröffentlicht in:生物物理 2003, Vol.43(1), pp.4-8
1. Verfasser: 浜田, 大三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 序:アミロイド線維」「生合成されるタンパク質は, そのアミノ酸配列に特異的な立体構造を形成する. 」このことは, ある種, 自明の概念とされている. しかしながら, 病気などの条件下, あるいは, 正常な細胞内においても, 生合成されたすべてのタンパク質が, 特異的な立体構造に折れ畳まれるわけではない1),2). ミスフォールドしたタンパク質は形態の異なる凝集体をしばしば形成する. その中で, 最近, 注目されているのはアミロイド線維(病理学では「繊維」ではなく「線維」)である. アミロイド線維とは, アルツハイマー症候群の患者などに見られるペプチド凝集体である. 現在では, 20種類を超える病気(アミロイドーシス)にかかわるタンパク質が, アミロイド線維を形成することが知られている3). また, in vitroでは, 病気とはかかわりがないタンパク質も, 適当な条件を与えられればアミロイド線維を形成することができる.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.43.4