DNA複製開始タンパク質RepEの構造と機能
1. はじめに これまでに, DNAの複製や転写にかかわるさまざまなタンパク質とそのDNA複合体の立体構造が, X線結晶解析法やNMR法によって次々に明らかにされ, 原子レベルで分子機構の研究が進められてきた. しかし,DNAの複製開始を制御し, 複製周期を厳密に調節する役割を担う重要なDNA複製開始タンパク質については, その立体構造の情報がまったくなく, 詳しい分子機構がわかっていなかった. 一般に複製開始タンパク質はたいへん凝集しやすいという共通の性質があり, その結晶化が難しいことが構造解析の大きな障壁となっていたと考えられる. DNA複製は, DNA上の特定の領域(オリジン)に複製開...
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Veröffentlicht in: | 生物物理 2001, Vol.41(5), pp.235-239 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. はじめに これまでに, DNAの複製や転写にかかわるさまざまなタンパク質とそのDNA複合体の立体構造が, X線結晶解析法やNMR法によって次々に明らかにされ, 原子レベルで分子機構の研究が進められてきた. しかし,DNAの複製開始を制御し, 複製周期を厳密に調節する役割を担う重要なDNA複製開始タンパク質については, その立体構造の情報がまったくなく, 詳しい分子機構がわかっていなかった. 一般に複製開始タンパク質はたいへん凝集しやすいという共通の性質があり, その結晶化が難しいことが構造解析の大きな障壁となっていたと考えられる. DNA複製は, DNA上の特定の領域(オリジン)に複製開始タンパク質が結合することによって開始する.この自律複製単位(レプリコン)による正の調節機構を想定したモデルが, 原核, 真核生物を問わず, DNA複製開始機構を考える上での基礎となっている1). 複製開始タンパク質は, おもに3つの基本的な機能をもっている. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.41.235 |