レジンセメントの色調がラミネートベニア修復の色調に及ぼす影響
ポーセレンラミネートベニア修復は歯にポーセレン製のシェルを接着し,歯の色調および形態を回復・改善する修復方法である.色調の再現性やセメントの色調については多くの研究がされているが,接着するベニアの色調に対する接着時の色調の変化や接着後の色調の変化についての検討は少ない. 本研究ではラミネートベニア接着時の色調の変化や接着後の色調の変化を解決することを目的とし,ラミネートベニアおよび支台歯の色調による影響,レジンセメントの経時的色調の変化,ラミネートベニア接着時のセメントの有無およびセメントの色調の違いによる影響について実験を行った.実験には歯冠色陶材として金属焼付け用陶材(VINTAGE Ha...
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Veröffentlicht in: | 日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 2012/04/26, Vol.32(1-2), pp.71-80 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
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Zusammenfassung: | ポーセレンラミネートベニア修復は歯にポーセレン製のシェルを接着し,歯の色調および形態を回復・改善する修復方法である.色調の再現性やセメントの色調については多くの研究がされているが,接着するベニアの色調に対する接着時の色調の変化や接着後の色調の変化についての検討は少ない. 本研究ではラミネートベニア接着時の色調の変化や接着後の色調の変化を解決することを目的とし,ラミネートベニアおよび支台歯の色調による影響,レジンセメントの経時的色調の変化,ラミネートベニア接着時のセメントの有無およびセメントの色調の違いによる影響について実験を行った.実験には歯冠色陶材として金属焼付け用陶材(VINTAGE Halo®:松風)のA1B,A2B,A3B を使用し,支台歯として用いた陶材はA3B,A4B,B4B,C3B,D4B を使用した.また,レジンセメントにはデュアルキュア型レジンセメント(ResiCem®:松風)を用い,色調はクリア,アイボリー,オペークの3種とした.セメントの厚さは50μm とし,被着体の間に何も介在しない場合(空気)と介在した条件(水)をコントロールとした.まず,試験片が色調に及ぼす影響を検討し,次に,レジンセメントの色調と経時的変化について検討した.最終的に厚さ0.6mm の歯冠色陶材と厚さ3.0mm の支台歯色陶材をレジンセメントで接着することでセメントの色調がラミネートベニア修復の色調に及ぼす影響について検討した. 実験の結果から以下のことがわかった. 1. 合着前の試験片において試験片の厚さは色調に影響を及ぼすことがわかった. 2. セメントの厚さが1.0mm の場合, 合着後7日までb* が増加した.一方,厚さが50μmの場合,色調は変化しなかった. 3.2つのセメントの⊿E が3.5の差を持つ条件では,接着後の色調を比較したところ有意差はなかった. 4. 被着材間に水を介在させると色差は有意に低くなるので,接着前に色調を推測できることがわかった. |
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ISSN: | 1346-8111 1884-8230 |
DOI: | 10.14399/jacd.32.71 |