その3 咬合器装着からワックスアップ

「はじめに」 臨床補綴の製作における咬合器装着, ワックスアップは, 最終補綴物までの軌跡であり, 顎口腔を考えるスタートラインでもある. 咬合器においては, その特性を把握するところからはじまり, ファイナル補綴にいたるまでの間, 一口腔の「再現器」として扱うのであるから選択に慎重さが求められる. また, ワックスアップにおいては, 失った歯牙の機能, 審美を回復し補綴治療考察の最初の位置すべきところとなる. 臨床補綴を製作しているといつも思うことがある. 基本的概念に基づいて補綴物がつくりたい. しかしながらそれが叶うのはほんの一部のケースだけで, ほとんどのケースでは, 思うような形態,...

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Veröffentlicht in:日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 2009, Vol.29 (1/2), p.115-123
Hauptverfasser: 佐々木雅史, 江本元
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 臨床補綴の製作における咬合器装着, ワックスアップは, 最終補綴物までの軌跡であり, 顎口腔を考えるスタートラインでもある. 咬合器においては, その特性を把握するところからはじまり, ファイナル補綴にいたるまでの間, 一口腔の「再現器」として扱うのであるから選択に慎重さが求められる. また, ワックスアップにおいては, 失った歯牙の機能, 審美を回復し補綴治療考察の最初の位置すべきところとなる. 臨床補綴を製作しているといつも思うことがある. 基本的概念に基づいて補綴物がつくりたい. しかしながらそれが叶うのはほんの一部のケースだけで, ほとんどのケースでは, 思うような形態, 機能, 審美が回復できないものだ. とくに機能の面では強く感じる. たとえば, 上下咬合高径不足, 上下歯牙の位置関係の問題など, さまざまな条件が歯科技工士を悩ませる. 「それが臨床」と言ってしまえばその通りだが, そうした場合, どのように対応すればよいものか, いつも考えさせられる.
ISSN:1346-8111