反復する肉眼的血尿により発見された膀胱内乳児血管腫の 1 例
乳児血管腫は小児期によくみられるが,膀胱発生の頻度は少ない.一方,小児期膀胱内血管腫の多くは海綿状血管腫で,膀胱内乳児血管腫はまれである.症例は 7 歳男児.臀部受傷後の肉眼的血尿を主訴に受診した.腹部超音波検査で Society of Fetal Urology(SFU) 分類 grade 1 の左水腎症以外に異常を認めず,5 日後には血尿は消失した.11 か月後に肉眼的血尿が再度出現し,超音波検査と CT 検査で左下部尿管拡張,SFU 分類 grade 2 の左水腎症に加え,膀胱内左尿管口周囲の腫瘤(長径 18 mm) を認めた.このため,膀胱鏡検査を行い,左尿管口周囲の粘膜下腫瘤を確認し...
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Veröffentlicht in: | 日本小児腎臓病学会雑誌 2021, Vol.34(2), pp.153-158 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 乳児血管腫は小児期によくみられるが,膀胱発生の頻度は少ない.一方,小児期膀胱内血管腫の多くは海綿状血管腫で,膀胱内乳児血管腫はまれである.症例は 7 歳男児.臀部受傷後の肉眼的血尿を主訴に受診した.腹部超音波検査で Society of Fetal Urology(SFU) 分類 grade 1 の左水腎症以外に異常を認めず,5 日後には血尿は消失した.11 か月後に肉眼的血尿が再度出現し,超音波検査と CT 検査で左下部尿管拡張,SFU 分類 grade 2 の左水腎症に加え,膀胱内左尿管口周囲の腫瘤(長径 18 mm) を認めた.このため,膀胱鏡検査を行い,左尿管口周囲の粘膜下腫瘤を確認し切除術を行った.病理検査で腫瘤内脈管内皮が glucose transporter 1 陽性で乳児血管腫と診断した.膀胱内血管腫の検出に超音波検査は有用だが,膀胱観察に適した膀胱緊満状態を得ることは,小児では困難なことが多く,繰り返し行う必要がある. |
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ISSN: | 0915-2245 1881-3933 |
DOI: | 10.3165/jjpn.cr.2020.0184 |