尿路閉塞による急性腎障害を反復したシスチン尿症の 1 例

症例は 12 歳男児.右側腹部痛を主訴に入院した.超音波検査で右上部尿管の尿管結石を認め右水腎・水尿管症を伴っていた.また,両側腎杯に多発する腎結石を認め,シスチンの尿中排泄増多からシスチン尿症と診断した.腎シンチグラフィでの集積低下とレノグラムでの高度機能低下から尿路閉塞による右腎の急性腎障害(AKI) と診断した.十分量の輸液と,クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物配合製剤とチオプロニンの内服を開始し,第 5 病日に自然排石を認め,腎シンチグラフィの集積像は正常化した.退院後,治療コンプライアンスが不十分で,尿中シスチン濃度の管理目標を維持できずに経過し,5 か月後に右尿管結石を再発...

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Veröffentlicht in:日本小児腎臓病学会雑誌 2020, Vol.33(2), pp.175-181
Hauptverfasser: 飛田和, えりか, 秋岡, 祐子, 武者, 育麻, 荒尾, 正人, 徳山, 研一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は 12 歳男児.右側腹部痛を主訴に入院した.超音波検査で右上部尿管の尿管結石を認め右水腎・水尿管症を伴っていた.また,両側腎杯に多発する腎結石を認め,シスチンの尿中排泄増多からシスチン尿症と診断した.腎シンチグラフィでの集積低下とレノグラムでの高度機能低下から尿路閉塞による右腎の急性腎障害(AKI) と診断した.十分量の輸液と,クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物配合製剤とチオプロニンの内服を開始し,第 5 病日に自然排石を認め,腎シンチグラフィの集積像は正常化した.退院後,治療コンプライアンスが不十分で,尿中シスチン濃度の管理目標を維持できずに経過し,5 か月後に右尿管結石を再発した.腎シンチグラフィでは尿路閉塞に伴う AKI を再度認めた.自然排石を認めず右経尿道的結石除去術を行った.尿路閉塞を反復するシスチン尿症は慢性腎臓病(CKD)の発症リスクが高い.CKD 対策には患者教育と治療効果の適正なモニタリングが重要である.
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.cr.2020.0171