Oligomeganephronia 様の組織像を呈し,新生児期の循環不全が腎機能障害の原因と考えられた2 症例

学校検尿で蛋白尿,腎機能障害を指摘され腎生検にてoligomeganephronia 様の組織像を認め,新生児期の循環不全が原因と考えられた症例を2 例経験した。症例1 は12 歳男児。正期産児であったが,胎盤早期剝離による重症仮死のため集中治療を要した。12 歳時に尿蛋白,腎機能障害を認め腎生検を行った。症例2 は6 歳女児。総動脈幹症のため日齢4 にショック状態となった既往があり,学校検尿にて蛋白尿と腎機能障害を指摘され,腎生検を行った。両症例とも糸球体密度の低下と糸球体の肥大,分節性硬化,間質の線維化を認めた。また1 例には虚脱糸球体と思われる所見を認めた。両症例とも新生児期の腎虚血によ...

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Veröffentlicht in:日本小児腎臓病学会雑誌 2016, Vol.29(1), pp.49-52
Hauptverfasser: 岡田, 麻理, 河原, 智樹, 森谷, 薫, 中谷, 久恵, 宮川, 雄一, 大川, 哲平, 今井, 雅子, 鈴木, 奈都子, 長澤, 正之, 大柴, 晃洋, 下田, 益弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:学校検尿で蛋白尿,腎機能障害を指摘され腎生検にてoligomeganephronia 様の組織像を認め,新生児期の循環不全が原因と考えられた症例を2 例経験した。症例1 は12 歳男児。正期産児であったが,胎盤早期剝離による重症仮死のため集中治療を要した。12 歳時に尿蛋白,腎機能障害を認め腎生検を行った。症例2 は6 歳女児。総動脈幹症のため日齢4 にショック状態となった既往があり,学校検尿にて蛋白尿と腎機能障害を指摘され,腎生検を行った。両症例とも糸球体密度の低下と糸球体の肥大,分節性硬化,間質の線維化を認めた。また1 例には虚脱糸球体と思われる所見を認めた。両症例とも新生児期の腎虚血によりネフロンを喪失し,残存糸球体の肥大と過剰濾過を生じ,蛋白尿,腎機能障害を呈したと考えられた。新生児期に循環不全の既往がある児については,糸球体数の減少から将来的に慢性腎臓病へ進展する可能性があり,腎機能の注意深い観察が必要と考えられた。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.cr.2015.0079