8. 発熱を契機に腎性尿崩症と診断した1例

【症例】日齢8 男児 主訴:発熱 家族歴:母が多飲傾向(精査なし). 現病歴:妊娠中特記事項なく, 在胎40週5日, 3608gで仮死なく出生. 日齢1に近医産科にて39.3℃の発熱・CRP 0.8mg/dl. 当科新生児室に入院. 抗菌薬投与し解熱. 日齢7に退院. 日齢8と日齢10に38℃台の発熱があり精査目的で当科入院. 入院時現症:哺乳は80~100ml/回程度できており, 全身状態は良好であったが, 口腔内はやや乾燥, 他臨床所見なし. 入院時検査所見:WBC 19000/μl, BUN 18.1mg/dl, Cr 0.5mg/dl, Na 150mEq/l, CRP 0.9mg/d...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児腎臓病学会雑誌 2012-04, Vol.25 (1), p.80-80
Hauptverfasser: 伊藤創太郎, 寺町昌史, 山崎靖人, 瀬川芳恵, 川谷恵里, 廣瀬伸一, 福間裕子, 新居見和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】日齢8 男児 主訴:発熱 家族歴:母が多飲傾向(精査なし). 現病歴:妊娠中特記事項なく, 在胎40週5日, 3608gで仮死なく出生. 日齢1に近医産科にて39.3℃の発熱・CRP 0.8mg/dl. 当科新生児室に入院. 抗菌薬投与し解熱. 日齢7に退院. 日齢8と日齢10に38℃台の発熱があり精査目的で当科入院. 入院時現症:哺乳は80~100ml/回程度できており, 全身状態は良好であったが, 口腔内はやや乾燥, 他臨床所見なし. 入院時検査所見:WBC 19000/μl, BUN 18.1mg/dl, Cr 0.5mg/dl, Na 150mEq/l, CRP 0.9mg/dl. 入院後経過:入院時より高張性脱水と高Na血症, 尿比重低値があり, 入院後に多尿(7ml/kg/hr~10ml/kg/hr)が明らかとなった. 血清浸透圧310mOsm/kg, 尿浸透圧101mOsm/kg, AVP 22.5pg/ml, 頭部MRIで異常所見はなかった. AVP負荷試験を行い尿浸透圧・尿中cAMPの上昇がないために完全型腎性尿崩症と診断した. 治療は希釈ミルクの摂取・輸液にて血清Naは改善し140mEq/l程度に安定した. 経過中に尿量が増加したためサイアザイド内服を開始し尿量は減少した. 後日V2R遺伝子異常が判明し, 先天性腎性尿崩症と診断した. 【考察】発熱を機に新生児期に診断されたV2R遺伝子異常による先天性腎性尿崩症を経験した. 輸液・希釈ミルク・サイアザイド内服にて軽快した. 現在Na制限はせずに発達や成長は問題ないが, 今後も注意深い観察が必要と思われる.
ISSN:0915-2245