6.扁摘ステロイドパルス療法後も蛋白尿が遷延した紫斑病性腎炎の6歳男児
【症例】6歳発症の紫斑病性腎炎. 血尿の既往あるが, 自然軽快. 腎疾患の家族歴なし. 紫斑, 腹痛, 下血で発症し, PSL 30mg/dayで治療し改善したが, 2週間後から蛋白尿・血尿が出現し増加傾向となり転院した. 【入院時現在】血圧118/57mmHg, 体重30.4kg(肥満度44%)入院時, 下肢を主体に紫斑を認めた. WBC 18990/μl, Hb 13.7g/d4, Plt 43.9×104/μl, TP 7.4g/dl, sAlb 4.3g/dl, LDH 266IU/l, GOT 34IU/l, GPT 56IU/l, BUN 12.6mg/dl, Cr 0.34mg/...
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Veröffentlicht in: | 日本小児腎臓病学会雑誌 2011, Vol.24 (1), p.167-167 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【症例】6歳発症の紫斑病性腎炎. 血尿の既往あるが, 自然軽快. 腎疾患の家族歴なし. 紫斑, 腹痛, 下血で発症し, PSL 30mg/dayで治療し改善したが, 2週間後から蛋白尿・血尿が出現し増加傾向となり転院した. 【入院時現在】血圧118/57mmHg, 体重30.4kg(肥満度44%)入院時, 下肢を主体に紫斑を認めた. WBC 18990/μl, Hb 13.7g/d4, Plt 43.9×104/μl, TP 7.4g/dl, sAlb 4.3g/dl, LDH 266IU/l, GOT 34IU/l, GPT 56IU/l, BUN 12.6mg/dl, Cr 0.34mg/dl, TChol 289mg/dl, TG 335mg/dl, CRP 0.16mg/dl, IgG 1004mg/dl, IgA 209mg/dl, IgM 116mg/dl, IgE 3900mg/dl, C3 150mg/dl(84.6~167), 血清補体価60U/ml, ASO1210Todd, ASK:2560×, ANA 40倍, PT 10.6sec, PT-INR 0.97, APTT 30.9sec, Fib 282mg/dl, DD 0.4μg/dl, C-ANCA<1.3U/ml, P-ANCA<1.3U/ml, 蛋白尿 2.0g/gCr, 尿沈渣RBC 30~49/HPF. 【経過】蛋白尿は持続しsAlbは3.3g/dlまで低下し, 咽頭炎を発症しsCrは0.64mg/dlと上昇したため, HSPN発症1か月目に腎生検を施行した. 12%の分節性病変を伴うISKDC grade IIIbと診断. 扁摘+ステロイドパルス療法(mPSLIOOOmg/m2/dose)3クール後, PSL1mg/kg/day隔日投与とし, 1g/gCrで蛋白尿が持続するため, azathioprine 2mg/kg/dayを併用した. その後も反復する副鼻腔炎や, 肥満度68%への悪化を認め, 血尿と蛋白尿は持続したため, 1年後再生検を施行した. 1回目同様ISKDC grade IIIbだったが, 細胞増殖は軽度となり, 部分的に基質の増加を認め, 間質に軽度の炎症細胞浸潤と線維化を認めた. ウロキナーゼパルス療法(mPSL500mg/m2/dose+ウロキナーゼ12万単位)を2クール施行しenarapril開始した. 蛋白尿は0.69/gCrと改善傾向. 【考察】扁桃腺摘出術+ステロイドパルス療法にもかかわらず蛋白尿が遷延した原因として, 副鼻腔炎や肥満の関与が考えられた. |
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ISSN: | 0915-2245 |