発症12年後にステロイド抵抗性に変化した微小変化型ネフローゼ症候群の1例

発症12年後に初めてステロイド感受性から抵抗性に変化した微小変化型ネフローゼ症候群 (MCNS) の1例を経験した。  症例は15歳男児である。1996年11月 (3歳時) にネフローゼ症候群を発症した。頻回再発型のためプレドニゾロン (PSL) とシクロスポリン (CyA) で治療された。2003年12月以降に施行した腎生検3回の病理診断は,すべて微小変化型 (MC) であった。2009年2月,再発時に初めてステロイド抵抗性ネフローゼ症候群と診断された。第4回腎生検の病理診断もMCでありCyA腎症の所見は認めなかった。同年4月より小児難治性腎疾患治療研究会のプロトコールを導入した。メチルプレ...

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Veröffentlicht in:日本小児腎臓病学会雑誌 2011/04/15, Vol.24(1), pp.81-85
Hauptverfasser: 成瀬, 裕紀, 奥井, 秀由起, 岡田, 広, 谷本, 愛子, 江口, 広宣, 平本, 龍吾, 小森, 功夫, 秋草, 文四郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:発症12年後に初めてステロイド感受性から抵抗性に変化した微小変化型ネフローゼ症候群 (MCNS) の1例を経験した。  症例は15歳男児である。1996年11月 (3歳時) にネフローゼ症候群を発症した。頻回再発型のためプレドニゾロン (PSL) とシクロスポリン (CyA) で治療された。2003年12月以降に施行した腎生検3回の病理診断は,すべて微小変化型 (MC) であった。2009年2月,再発時に初めてステロイド抵抗性ネフローゼ症候群と診断された。第4回腎生検の病理診断もMCでありCyA腎症の所見は認めなかった。同年4月より小児難治性腎疾患治療研究会のプロトコールを導入した。メチルプレドニゾロンパルス療法 (MPT) 後より蛋白尿が減少し,寛解に至った。ネフローゼ症候群の長期経過後に,稀に感受性から抵抗性に変化することがある。その際には腎生検を行う必要があり,MPTとCyAの併用療法が治療の選択肢の一つになりうる。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.24.81