寛解療法導入中に深部静脈血栓症を併発したステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の1例
ネフローゼ症候群ではさまざまな理由から過凝固状態に陥りやすく,抗凝固療法の重要性が指摘されている。なかでも初期治療に対し反応性に乏しいステロイド抵抗性ネフローゼ症候群では,診断確定および治療方針決定のため腎生検が必要となるが,腎生検施行時には出血のリスクのため抗凝固剤を中断する必要があり,さらに過凝固状態に傾く。今回われわれは,左肘静脈より中心静脈カテーテルを留置したネフローゼ症候群の6歳男児に,腎生検施行時に抗凝固療法を一時中断したことで深部静脈血栓症を発症した症例を経験した。抗凝固剤投与を行い,頻回の静脈エコーにより経過観察したところ,静脈血栓は器質化し血流も再開通した。中心静脈カテーテル...
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Veröffentlicht in: | 日本小児腎臓病学会雑誌 2010/04/15, Vol.23(1), pp.40-46 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ネフローゼ症候群ではさまざまな理由から過凝固状態に陥りやすく,抗凝固療法の重要性が指摘されている。なかでも初期治療に対し反応性に乏しいステロイド抵抗性ネフローゼ症候群では,診断確定および治療方針決定のため腎生検が必要となるが,腎生検施行時には出血のリスクのため抗凝固剤を中断する必要があり,さらに過凝固状態に傾く。今回われわれは,左肘静脈より中心静脈カテーテルを留置したネフローゼ症候群の6歳男児に,腎生検施行時に抗凝固療法を一時中断したことで深部静脈血栓症を発症した症例を経験した。抗凝固剤投与を行い,頻回の静脈エコーにより経過観察したところ,静脈血栓は器質化し血流も再開通した。中心静脈カテーテル留置時や抗凝固剤中断時には,深部静脈血栓症のリスクが高くなることを十分考慮し,臨床症状出現に注意するとともに,中心静脈カテーテル管理や抗凝固療法の中止時期を慎重に判断する必要がある。 |
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ISSN: | 0915-2245 1881-3933 |
DOI: | 10.3165/jjpn.23.40 |