1. 入院後3ヶ月間で末期腎不全に至り, 透析, 移植を行ったIgA腎症の13歳女児例
症例は13歳女児. 学校検尿で繰り返し蛋白尿・血尿を指摘され要精査となっていたが受診していなかった. 初めて学校検尿を要精査となって約2年後に浮腫に気付き近医を受診したところ高血圧, 腎機能低下を認めたため当院を紹介入院となった. 入院時血圧は140~150台/90~100台と高血圧を認めた. 血清BUN67mg/dl, Cre3.6mg/dl, UA7.3mg/dl, HCO3- 16.3と腎機能低下, 代謝性アシドーシスを認めた. 検尿では蛋白定性(3+), 定量で302mg/dl(Cre60mg/dl), 潜血(2+), β2MG1.652mg/lと蛋白尿, 血尿を認めた. 腎生検では光...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本小児腎臓病学会雑誌 2009, Vol.22 (2), p.235-235 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 症例は13歳女児. 学校検尿で繰り返し蛋白尿・血尿を指摘され要精査となっていたが受診していなかった. 初めて学校検尿を要精査となって約2年後に浮腫に気付き近医を受診したところ高血圧, 腎機能低下を認めたため当院を紹介入院となった. 入院時血圧は140~150台/90~100台と高血圧を認めた. 血清BUN67mg/dl, Cre3.6mg/dl, UA7.3mg/dl, HCO3- 16.3と腎機能低下, 代謝性アシドーシスを認めた. 検尿では蛋白定性(3+), 定量で302mg/dl(Cre60mg/dl), 潜血(2+), β2MG1.652mg/lと蛋白尿, 血尿を認めた. 腎生検では光顕上, 観察された糸球体の半数に全節性硬化を認め, 激しい係蹄壊死, ボウマン嚢癒着, 線維性半月体形成, 基質増生, 広範囲な尿細管・間質領域の線維化・細胞浸潤を認めた. 免疫染色ではIgA優位にメサンギウム, 係蹄への顆粒状沈着を認めIgA腎症と診断した. 活動性病変に乏しくすでに末期腎不全の状態に至っておりステロイド投与による効果は見込めないと評価し, ミゾリビン, ワーファリン, ジピリダモールによる治療を開始した. 腎性貧血に対してエリスロポエチン, 代謝性アシドーシスに対して重曹の投与を開始した. 一時Creは2.3mg/dlまで改善を認めたものの, その後は増悪傾向を認め, 腎代替療法についてご家族と話し合ったところ父親をドナーとしたpreemptive transplantationを希望され準備を行った. しかしその後急速に腎機能が低下し全身浮腫, 乏尿も出現したため一時腹膜透析を行った後腎移植を施行した. 学校検尿における精検受診の推奨法について検討する必要がある. 移植後再発に関しても今後も注意して経過観察するべき症例と考えた. |
---|---|
ISSN: | 0915-2245 |