血液透析を導入した精神発達遅滞を伴う慢性腎不全の3症例

近年,各種腎不全治療の目覚ましい進歩により,小児末期慢性腎不全の生命予後は著しく改善している。しかし,精神発達遅滞や合併奇形を伴う場合,患者の遅滞や障害の程度,家族のサポート状況などを踏まえ,個々に腎代替治療の適応を判断する必要がある。今回われわれは,精神発達遅滞を伴う末期慢性腎不全の3症例に血液透析 (hemodialysis: HD) を導入した。いずれの症例も成人年齢に達していたが,家族の希望があり,当科で治療を行っていた。  3症例とも,家族の患者や病気に対する考え方の変化や,患者自身の精神面での成長を受けて,経過中に治療方針の転換をする必要があったが,いずれもHDを導入し,患者や患者...

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Veröffentlicht in:日本小児腎臓病学会雑誌 2009/04/15, Vol.22(1), pp.1-5
Hauptverfasser: 菅原, 典子, 森本, 哲司, 熊谷, 直憲, 村田, 弥栄子, 菅原, 由美, 加藤, 潔, 佐藤, 寿伸, 根東, 義明, 土屋, 滋
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,各種腎不全治療の目覚ましい進歩により,小児末期慢性腎不全の生命予後は著しく改善している。しかし,精神発達遅滞や合併奇形を伴う場合,患者の遅滞や障害の程度,家族のサポート状況などを踏まえ,個々に腎代替治療の適応を判断する必要がある。今回われわれは,精神発達遅滞を伴う末期慢性腎不全の3症例に血液透析 (hemodialysis: HD) を導入した。いずれの症例も成人年齢に達していたが,家族の希望があり,当科で治療を行っていた。  3症例とも,家族の患者や病気に対する考え方の変化や,患者自身の精神面での成長を受けて,経過中に治療方針の転換をする必要があったが,いずれもHDを導入し,患者や患者家族に良好な変化が見られ,QOLの改善につながった。  今回の3症例を経験し,われわれ医療スタッフは,常に変化しうる家族の意思や患者の成長を念頭に入れて,日々の診療を行わなくてはならないと改めて痛感した。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.22.1