TINU症候群の1例

症例は14歳,女児。ぶどう膜炎を発症。初診時血清Crと尿中β2MG値の上昇,ならびに尿糖,白血球尿,尿濃縮力障害を認めた。腎生検では糸球体の形態に異常はみられなかったが間質への著明な単核球浸潤があり,急性間質性腎炎の像を呈していた。本人ならびに家族とのインフォームドコンセントの結果,ステロイドの全身投与を行わず無治療で経過観察としたところ,血清Cr値と尿中β2MG値は徐々に低下し8ヵ月後にはほぼ正常化した。  本例はステロイドの全身投与を行うことなく腎症状が軽快した症例である。本症候群の腎症に対しては腎機能の急激な悪化がない限り,当面無治療で経過観察するのがよいと思われた。...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児腎臓病学会雑誌 2007/04/15, Vol.20(1), pp.31-34
Hauptverfasser: 宇都宮, 靖, 佐野, 仁志, 大谷, 英之, 戸川, 雅美, 田村, 明子, 常井, 幹生, 星加, 忠孝, 林, 篤
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は14歳,女児。ぶどう膜炎を発症。初診時血清Crと尿中β2MG値の上昇,ならびに尿糖,白血球尿,尿濃縮力障害を認めた。腎生検では糸球体の形態に異常はみられなかったが間質への著明な単核球浸潤があり,急性間質性腎炎の像を呈していた。本人ならびに家族とのインフォームドコンセントの結果,ステロイドの全身投与を行わず無治療で経過観察としたところ,血清Cr値と尿中β2MG値は徐々に低下し8ヵ月後にはほぼ正常化した。  本例はステロイドの全身投与を行うことなく腎症状が軽快した症例である。本症候群の腎症に対しては腎機能の急激な悪化がない限り,当面無治療で経過観察するのがよいと思われた。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.20.31