尿蛋白陰性だが,ネフローゼ症候群が疑われた1例
症例は4歳,男児。インフルエンザBと診断され,抗インフルエンザ剤で回復後1週間後に,下肢の浮腫,腹部膨満あり,低蛋白血症(アルブミン1.4g/dl)を認めた。経過中尿所見の異常はまったく認めず,低蛋白血症は無治療にて改善した。精査するも,低蛋白血症の原因は分からなかった。 しかし,約1ヵ月半後にネフローゼ症候群を発症した。2回目はネフローゼ症候群の診断基準をすべて満たしていたので,ステロイドの治療を行った。蛋白尿は治療1週間後には正常化した。以後,再発を認めていない。この2回のエピソードは尿所見以外の検査結果,臨床経過は類似していた。初回の低蛋白血症は,ネフローゼ症候群の回復過程を見ていたの...
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Veröffentlicht in: | 日本小児腎臓病学会雑誌 2006/11/15, Vol.19(2), pp.141-144 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は4歳,男児。インフルエンザBと診断され,抗インフルエンザ剤で回復後1週間後に,下肢の浮腫,腹部膨満あり,低蛋白血症(アルブミン1.4g/dl)を認めた。経過中尿所見の異常はまったく認めず,低蛋白血症は無治療にて改善した。精査するも,低蛋白血症の原因は分からなかった。 しかし,約1ヵ月半後にネフローゼ症候群を発症した。2回目はネフローゼ症候群の診断基準をすべて満たしていたので,ステロイドの治療を行った。蛋白尿は治療1週間後には正常化した。以後,再発を認めていない。この2回のエピソードは尿所見以外の検査結果,臨床経過は類似していた。初回の低蛋白血症は,ネフローゼ症候群の回復過程を見ていたのではないかと推測している。 |
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ISSN: | 0915-2245 1881-3933 |
DOI: | 10.3165/jjpn.19.141 |