B型肝炎ウイルス(HBV)genotype Aによる水平感染後に発症したHBV関連腎症の1男児例

「要旨」本邦で急増中であるgenotype AのHBV家族内水平感染によりB型肝炎ウイルスがキャリア化し, 感染後早期にHBV関連腎症を発症した2歳, 男児例を経験したので報告する. 腎生検の結果, HBV関連膜性腎症と診断した. 8週間のインターフェロンα治療に加え, アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)およびアンギオテンシンII受容体拮抗剤(ARB)の併用療法を施行した. 早期にセロコンバージョンが得られ, 腎炎は寛解した. 今後は本邦で増加が予想されるgenotype AのHBV感染によるHBV関連腎症の動向に注意する必要がある. 「はじめに」B型肝炎ウイルス(HBV)感染予防対策...

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Veröffentlicht in:日本小児腎臓病学会雑誌 2005, Vol.18 (2), p.117-121
Hauptverfasser: 林篤, 花田卓也, 神田貴行, 村上潤, 岡本学, 飯塚俊之, 長田郁夫, 神崎晋, 笠置綱清, 岡田隆好, 宇都宮靖
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」本邦で急増中であるgenotype AのHBV家族内水平感染によりB型肝炎ウイルスがキャリア化し, 感染後早期にHBV関連腎症を発症した2歳, 男児例を経験したので報告する. 腎生検の結果, HBV関連膜性腎症と診断した. 8週間のインターフェロンα治療に加え, アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)およびアンギオテンシンII受容体拮抗剤(ARB)の併用療法を施行した. 早期にセロコンバージョンが得られ, 腎炎は寛解した. 今後は本邦で増加が予想されるgenotype AのHBV感染によるHBV関連腎症の動向に注意する必要がある. 「はじめに」B型肝炎ウイルス(HBV)感染予防対策の普及以降, 先進国ではHBV腎症は激減し, 小児では過去の疾患になりつつあるが, HBVキャリアが多数存在している国もある. したがって, 今後はこれらの国からの持ち込みによるHBV感染が懸念されている.
ISSN:0915-2245