小児造血幹細胞移植後の急性腎不全に対する血液浄化療法

造血幹細胞移植(以下,移植と略)後に急性腎不全を合併することはまれではなく,この場合,輸液スペースを確保して腎代替療法を行う必要がある。最近3年間に当科で移植した小児23例のうち,急性腎不全を合併し血液浄化療法を行った4例を対象に,血液浄化療法の有用性と問題点を検討した。対象の年齢は8歳(7~12歳,中央値と範囲)であった。水分過剰≧10%の時期は移植後30日(7~46日)で,血液浄化療法は移植後40日(34~80日)に開始し,6日間(1~11日間)行った。移植後の総除水量は2.4L(1.2~39L),総水分投与量は2.4L(1.7~7.5L)であった。この全例において血液浄化療法前後の血清尿...

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Veröffentlicht in:日本小児腎臓病学会雑誌 2005/04/15, Vol.18(1), pp.5-8
Hauptverfasser: 高田, 彰, 相馬, 洋紀, 菅原, 和華, 斉藤, 雅彦, 石川, 健, 遠藤, 幹也, 千田, 勝一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:造血幹細胞移植(以下,移植と略)後に急性腎不全を合併することはまれではなく,この場合,輸液スペースを確保して腎代替療法を行う必要がある。最近3年間に当科で移植した小児23例のうち,急性腎不全を合併し血液浄化療法を行った4例を対象に,血液浄化療法の有用性と問題点を検討した。対象の年齢は8歳(7~12歳,中央値と範囲)であった。水分過剰≧10%の時期は移植後30日(7~46日)で,血液浄化療法は移植後40日(34~80日)に開始し,6日間(1~11日間)行った。移植後の総除水量は2.4L(1.2~39L),総水分投与量は2.4L(1.7~7.5L)であった。この全例において血液浄化療法前後の血清尿素窒素と血清クレアチニンは低下し,ヘモグロビンと血小板は増加した。しかし,血液浄化療法を中止できず,全例が多臓器不全のため死亡した。血液浄化療法は移植後の急性腎不全に対して輸液スペースの確保および腎代替療法として有用であったが,予後の改善には移植後に積極的な水分管理を行い,血液浄化療法をより早期に導入する必要があると考えられた。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.18.5