免疫組織化学的検討を行った頸部リンパ上皮性嚢胞の1例

「はじめに」頸部のリンパ上皮性嚢胞は病理組織学的に上皮下のリンパ組織で特徴づけられる比較的まれな嚢胞性疾患である. 側頸部に発生することが多く側頸嚢胞とも呼ばれるが, 発生学的に鰓嚢由来の可能性があることから鰓嚢胞とも呼ばれる. しかし, 現在のところ本疾患の発生学的由来については鰓嚢由来1,2)とも唾液腺由来3)ともいわれ一定の見解は得られていない4). 今回われわれは, 頸部のリンパ上皮性嚢胞の1例を経験し, 嚢胞内容液の生化学的検討と嚢胞壁組織の免疫組織化学的検討を行うとともに, 発生学的由来について考察を行ったので報告する. 「症例」患者:28歳, 男性. 初診:2002年11月. 主...

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Veröffentlicht in:米子医学雑誌 2008, Vol.59 (2), p.47-52
Hauptverfasser: 園田真之, 小谷勇, 海藤俊行, 酒井博淳, 木谷憲典, 田窪千子, 領家和男, 井上貴央
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」頸部のリンパ上皮性嚢胞は病理組織学的に上皮下のリンパ組織で特徴づけられる比較的まれな嚢胞性疾患である. 側頸部に発生することが多く側頸嚢胞とも呼ばれるが, 発生学的に鰓嚢由来の可能性があることから鰓嚢胞とも呼ばれる. しかし, 現在のところ本疾患の発生学的由来については鰓嚢由来1,2)とも唾液腺由来3)ともいわれ一定の見解は得られていない4). 今回われわれは, 頸部のリンパ上皮性嚢胞の1例を経験し, 嚢胞内容液の生化学的検討と嚢胞壁組織の免疫組織化学的検討を行うとともに, 発生学的由来について考察を行ったので報告する. 「症例」患者:28歳, 男性. 初診:2002年11月. 主訴:右側頸部の腫脹. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:当科初診の約2年前より, 右側頸部の腫脹を自覚したが無痛性のため放置していた. 2002年の夏頃より腫脹が徐々に増大してきたため11月に近在の歯科医院を受診.
ISSN:0044-0558