α-結合ガラクトオリゴ糖の長期摂取による腹部状態および血液・尿性状への影響

「はじめに」腸内細菌叢におけるビフィズス菌は, 全身の健康に深く関与していることが知られ, ヒトにおける腸内環境改善効果1,2), マウスなどの動物における免疫賦活効果3,4)や発ガン抑制効果5)など, 幅広い生理活性が報告されている. これらの有効な機能を持つビフィズス菌を選択的に増殖させる物質, すなわちプレバイオティクスの発想のもとに多くの研究が報告6,7)されており, その働きを持つ種々の難消化性オリゴ糖が注目されている. α-ガラクトシル基を有するオリゴ糖は, 天然にはスタキオース, ラフィノース, メリビオースが知られているが, 著者らはガラクトースに麹菌由来のα-ガラクトシダーゼ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:米子医学雑誌 2007, Vol.58 (3), p.114-120
Hauptverfasser: 笠木健, 池田匡, 平松喜美子, 兼本亜紀子, 中村政則, 橋本博之, 岸野恵理子, 伊藤哲也, 藤田孝輝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」腸内細菌叢におけるビフィズス菌は, 全身の健康に深く関与していることが知られ, ヒトにおける腸内環境改善効果1,2), マウスなどの動物における免疫賦活効果3,4)や発ガン抑制効果5)など, 幅広い生理活性が報告されている. これらの有効な機能を持つビフィズス菌を選択的に増殖させる物質, すなわちプレバイオティクスの発想のもとに多くの研究が報告6,7)されており, その働きを持つ種々の難消化性オリゴ糖が注目されている. α-ガラクトシル基を有するオリゴ糖は, 天然にはスタキオース, ラフィノース, メリビオースが知られているが, 著者らはガラクトースに麹菌由来のα-ガラクトシダーゼを作用させて, α結合したガラクトース同士が2から8糖で構成されるα-結合ガラクトオリゴ糖(α-GOS)を効率よく合成する技術を確立している8). α-GOSは難消化性のオリゴ糖であり, ヒトでは一日3g摂取することで腸内のビフィズス菌が有意に増加し, 便秘傾向者では排便の日数・回数・量が増加することを確認している9).
ISSN:0044-0558