医学部における臨床薬理学教育について-教育者, 卒業生, 治験担当者へのアンケート結果の考察
「はじめに」近年の医学医療の進歩には目を見張るものがある. 外科手術を含めた侵襲的治療においては, その侵襲度の軽減と共に安全性向上の努力が続けられている. 一方, 薬物治療においても, 二十世紀後半の微量分析技術の進歩による薬物血中濃度測定法の応用により, 体内薬物動態解析が可能となり, 薬物治療手技は大きく変化した. すなわち, 名医といわれる限られた人たちが, 長い経験で身につけてきたいわゆる薬のサジ加減を, 学問的に体系付けて教育, 実践できるようになったことである. さらに最近では歴史的なヒトゲノムの解読に続く, 疾病と遺伝子に関する知見あるいは遺伝子多型等, 薬物治療の個別化につな...
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Veröffentlicht in: | 米子医学雑誌 2006-09, Vol.57 (5), p.179-189 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」近年の医学医療の進歩には目を見張るものがある. 外科手術を含めた侵襲的治療においては, その侵襲度の軽減と共に安全性向上の努力が続けられている. 一方, 薬物治療においても, 二十世紀後半の微量分析技術の進歩による薬物血中濃度測定法の応用により, 体内薬物動態解析が可能となり, 薬物治療手技は大きく変化した. すなわち, 名医といわれる限られた人たちが, 長い経験で身につけてきたいわゆる薬のサジ加減を, 学問的に体系付けて教育, 実践できるようになったことである. さらに最近では歴史的なヒトゲノムの解読に続く, 疾病と遺伝子に関する知見あるいは遺伝子多型等, 薬物治療の個別化につながる知識の集積により, 検査・診断技術の向上のみならず, 特定の遺伝子の働きに的を絞った医薬品が登場してきた. このような状況の中で発達した薬物治療を支える基礎としての臨床薬理学は, ヒトにおける薬理学的・薬物動態学的検討を含むとともに, ヒトにおいて薬効評価を行うことも重要な事項である1,2,3). |
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ISSN: | 0044-0558 |