クロイツフェルト・ヤコブ病の大脳皮質におけるアストロサイトとミクログリア:免疫組織化学的および形態計測的研究

「はじめに」クロイツフェルト・ヤコブ病(CreutzfeldtJakob disease:CJD)は急速に進行する神経症状を呈し, 中枢神経系に重篤な非炎症性病変を生じる神経疾患としてCreutzfeldt(1920)1)とJakob(1921)2)によって報告された. 当初は変性疾患と考えられ, 後に遅発性ウィルス感染症に分類されたが, 1980年代にPrusinerにより感染因子として感染性蛋白粒子プリオン(proteinaceous infectious particle:prion)が提唱された3,4). プリオンの主要構成成分であるプリオン蛋白(prion protein:PrP)は...

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Veröffentlicht in:米子医学雑誌 2004, Vol.55 (2), p.103-112
Hauptverfasser: 大塚真, 宮田元, 大浜栄作, 岸本拓治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」クロイツフェルト・ヤコブ病(CreutzfeldtJakob disease:CJD)は急速に進行する神経症状を呈し, 中枢神経系に重篤な非炎症性病変を生じる神経疾患としてCreutzfeldt(1920)1)とJakob(1921)2)によって報告された. 当初は変性疾患と考えられ, 後に遅発性ウィルス感染症に分類されたが, 1980年代にPrusinerにより感染因子として感染性蛋白粒子プリオン(proteinaceous infectious particle:prion)が提唱された3,4). プリオンの主要構成成分であるプリオン蛋白(prion protein:PrP)は宿主の遺伝子(PrP遺伝子)によってコードされている. その遺伝子産物である正常型PrPはプロテアーゼ感受性で主に中枢神経系で発現しているが, 機能についてはまだ十分には解明されていない. 正常型PrPが翻訳後に未だ不明の原囚により立体構造の変化を起こしβシート構造をとる部分が多くなるとプロテアーゼ抵抗性の感染型PrP(PrPCJD)となる.
ISSN:0044-0558