舌アミロイドーシスの症状を呈した多発性骨髄腫の2例
「はじめに」多発性骨髄腫は, 骨髄における形質細胞の腫瘍性増殖を主体とする疾患で, その多くは骨破壊性で, 多発性に骨病変を形成する. 一般に本疾患は, 血中あるいは尿中のM蛋白の発現や特異な骨X線像が特徴的であるが, 口腔顎顔面領域に症状を発現することは少なく, また特徴的な症状に欠けることもあり口腔顎顔面領域から本疾患を診断することは決して容易ではない. 今回われわれは当科で経験した舌アミロイドーシスの症状を呈した多発性骨髄腫の2例について臨床的検討を行ったので, その概要とともに文献的考察を加え報告する. 「症例1」患者:55歳, 女性. 初診:1985年8月30日. 主訴:オトガイ下部...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 米子医学雑誌 2003, Vol.54 (3), p.112-118 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「はじめに」多発性骨髄腫は, 骨髄における形質細胞の腫瘍性増殖を主体とする疾患で, その多くは骨破壊性で, 多発性に骨病変を形成する. 一般に本疾患は, 血中あるいは尿中のM蛋白の発現や特異な骨X線像が特徴的であるが, 口腔顎顔面領域に症状を発現することは少なく, また特徴的な症状に欠けることもあり口腔顎顔面領域から本疾患を診断することは決して容易ではない. 今回われわれは当科で経験した舌アミロイドーシスの症状を呈した多発性骨髄腫の2例について臨床的検討を行ったので, その概要とともに文献的考察を加え報告する. 「症例1」患者:55歳, 女性. 初診:1985年8月30日. 主訴:オトガイ下部腫脹, 舌硬直感. 家族歴:母親が慢性関節リウマチ. 既往歴:1982年頃より, 手指, 肩, 腰, 膝などの関節痛, 慢性関節リウマチ. 現病歴:1985年3月頃より, オトガイ下部の腫脹, 舌の硬直感が出現し, 嚥下障害, 咀嚼障害, 発音障害を認めた. その後, オトガイ下部の腫脹は顎下部にまで増大したため, 同年6月8日, 某病院耳鼻科を受診した. 頚部嚢胞(疑)の診断下に, 同年7月8日差摘出術を受けるも嚢胞は存在せず, 組織学的には筋組織の硝子様変化とその周囲に散在性の石灰化物の存在を認めたが確定診断は得られなかった. その後も症状緩解せず, 精査のため同年8月30日, 当科を受診した. |
---|---|
ISSN: | 0044-0558 |