進行性核上性麻痺におけるpretangleおよびtuft-shaped astrocyteの病理学的意義:免疫組織化学的および形態計測的研究
「はじめに」進行性核脂性麻痺(progressive supranuclear palsy:PSP)は1964年にSteele, RichardsonおよびOlszewski 1)により最初に記載された神経変性疾患である. 厚生省の神経変性疾患調査研究上の診断基準(1996年)2)では, 「経過が進行性で, 神経所見として姿勢・歩行障害, 無動・寡動, 固縮眼球運動障害, 知能障害のうち少なくとも2つ以上が認められ, 臨床検査所見で一般検査に特異的異常がなく, 脳画像で中脳被蓋の萎縮および第三脳室の拡大が見られ, L-ドーパで明らかな改善を得ず, パーキンソン病, 脳血管障害性パーキンソニズム...
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Veröffentlicht in: | 米子医学雑誌 2002, Vol.53 (3), p.181-192 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」進行性核脂性麻痺(progressive supranuclear palsy:PSP)は1964年にSteele, RichardsonおよびOlszewski 1)により最初に記載された神経変性疾患である. 厚生省の神経変性疾患調査研究上の診断基準(1996年)2)では, 「経過が進行性で, 神経所見として姿勢・歩行障害, 無動・寡動, 固縮眼球運動障害, 知能障害のうち少なくとも2つ以上が認められ, 臨床検査所見で一般検査に特異的異常がなく, 脳画像で中脳被蓋の萎縮および第三脳室の拡大が見られ, L-ドーパで明らかな改善を得ず, パーキンソン病, 脳血管障害性パーキンソニズム, 薬剤性パーキンソニズムおよびその他の脳変性疾患が否定されたものをPSPと診断する」としている. また, 病理学的には「黒質, 上丘, 淡蒼球, 視床下核, 小脳歯状核に強い神経細胞脱落とグリオーシスを認め, さらに残存神経細胞内にglobose typeの神経原線維変化が出現するのが特徴である」2). 神経原線維変化(neurofibrillary tangle:NFT)のほかに, PSPの神経細胞内に出現する異常構造物として近年pretangleが注目されている. Pretangleは池田3)によると, NFTと同様嗜銀線を有し, タウ蛋白に対する免疫反応性を示すが, NFTは線維状に染色されるのに対し, pretangleはGallyas-Braak鍍銀(G-B)染色および抗タウ抗体免疫染色で細胞体全体が穎粒状あるいは一様に陽性に染色される. |
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ISSN: | 0044-0558 |