ジアゼパムの重心動揺に及ぼす影響
「はじめに」ヒトの直立姿勢は, 感覚器官(視覚・内耳・平衡覚・深部知覚), 中枢(脳幹・小脳), および運動器官によって制御されている. これらによる立ち直り反射によって, 重心は常に微小な動揺をくり返し, 直立姿勢を保っている. そこに外界からの刺激が加わると, さらに立ち直り反射が働き直立姿勢を保とうとするため, 重心の動揺は変化する. また, 直立姿勢を制御する系が障害された場合も, 立ち直り反射が障害されるため, 重心の動揺が大きくなったり, 動揺の速度が速くなったりする. この重心の微小動揺を記録し, 直立姿勢制御の状態を総合的に測定する検査として, 重心動揺検査がある. 重心動揺検...
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Veröffentlicht in: | 米子医学雑誌 2002, Vol.53 (1), p.1-8 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」ヒトの直立姿勢は, 感覚器官(視覚・内耳・平衡覚・深部知覚), 中枢(脳幹・小脳), および運動器官によって制御されている. これらによる立ち直り反射によって, 重心は常に微小な動揺をくり返し, 直立姿勢を保っている. そこに外界からの刺激が加わると, さらに立ち直り反射が働き直立姿勢を保とうとするため, 重心の動揺は変化する. また, 直立姿勢を制御する系が障害された場合も, 立ち直り反射が障害されるため, 重心の動揺が大きくなったり, 動揺の速度が速くなったりする. この重心の微小動揺を記録し, 直立姿勢制御の状態を総合的に測定する検査として, 重心動揺検査がある. 重心動揺検査は, 直立姿勢時における足底圧の垂直作用力を圧変換機で検出し, 足圧の中心となる点の動揺を電気信号として出力する足圧検出器である. 被検者を足圧検出器であるプラヅトフォーム上に立たせるだけで記録でき, 測定時間も短いため, 非侵襲的で簡便な検査である. また, 両脚直立検査のように検者の主観的な判定ではなく, 客観的なデータとして表現されるため, データ間の比較が可能である. さらに, 被検者に自覚のないような微小な重心動揺の変化を測定することも可能である1-5). |
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ISSN: | 0044-0558 |