非負値行列因子分解による2次元X線吸収スペクトルデータの解析

電気自動車などの性能向上のため,リチウムイオン電池の急速充電・高出力といった高レート特性の向上が強く求められている.高レートでの使用条件下で十分なパフォーマンスが達成できない原因一つとして,充放電中に化学反応が不均一に進むことが挙げられる.このような充放電時の不均一な化学反応を,2次元X線吸収スペクトル法により視覚化する試がある.この解説では,近年我々が取り組んでいる非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization(NMF))による2次元X線吸収スペクトルデータ解析を紹介する.本手法により,従来手法とは異なる吸収スペクトルの差異に基づく化学反応の不均一性の...

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Veröffentlicht in:日本神経回路学会誌 2022/03/05, Vol.29(1), pp.3-14
Hauptverfasser: 青西, 亨, 谷本, 寛樹, 徐, 宏坤, 水牧, 仁一朗, 妹尾, 与志木, 内和田, 純平, 山上, 遼, 熊添, 博之, 岩満, 一功, 木村, 勇太, 雨澤, 浩史, 赤井, 一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:電気自動車などの性能向上のため,リチウムイオン電池の急速充電・高出力といった高レート特性の向上が強く求められている.高レートでの使用条件下で十分なパフォーマンスが達成できない原因一つとして,充放電中に化学反応が不均一に進むことが挙げられる.このような充放電時の不均一な化学反応を,2次元X線吸収スペクトル法により視覚化する試がある.この解説では,近年我々が取り組んでいる非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization(NMF))による2次元X線吸収スペクトルデータ解析を紹介する.本手法により,従来手法とは異なる吸収スペクトルの差異に基づく化学反応の不均一性の検出ができる.しかしながら,NMFで抽出したスペクトルの特徴が,我々に解釈可能な物理的特徴量と一致しているかどうかという問題に直面する.これは,データ駆動科学の多くの事例で直面している共通の問題である.我々は,NMFにより分解したスペクトルベイズ分光を適用することにより,我々が解釈可能な物理的特徴量に変換することで,この問題の解決を試みる.
ISSN:1340-766X
1883-0455
DOI:10.3902/jnns.29.3