「脳と心のメカニズム」 第12回夏のワークショップ参加助成報告(1)

日本神経回路学会から助成を受け, 「脳と心のメカニズム」第12回夏のワークショップ(2011年8月21日-22日)に参加した. このワークショップは当初仙台での開催を予定していたが, 3月に発生した東北地方太平洋沖地震の影響を受け神戸国際会議場での開催の運びとなった. 今回のテーマは「発達」である. 既存の理論研究は主に成体の脳を対象としており, 生体の発達過程を含めたものは非常に少ない. 私は大脳皮質一次聴覚野(A1)及び連合野のモデル化に取り組んでいるが, ここでも状況は同じであり, モデルの学習結果はまだしもその過程はおよそ現実的とは言えないというのが実情である. 生体の発達過程には,...

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Veröffentlicht in:日本神経回路学会誌 2011-12, Vol.18 (4), p.224-225
1. Verfasser: 寺島裕貴
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:日本神経回路学会から助成を受け, 「脳と心のメカニズム」第12回夏のワークショップ(2011年8月21日-22日)に参加した. このワークショップは当初仙台での開催を予定していたが, 3月に発生した東北地方太平洋沖地震の影響を受け神戸国際会議場での開催の運びとなった. 今回のテーマは「発達」である. 既存の理論研究は主に成体の脳を対象としており, 生体の発達過程を含めたものは非常に少ない. 私は大脳皮質一次聴覚野(A1)及び連合野のモデル化に取り組んでいるが, ここでも状況は同じであり, モデルの学習結果はまだしもその過程はおよそ現実的とは言えないというのが実情である. 生体の発達過程には, 環境の学習のみならず遺伝子や分子などの幅広い要因が大きく関与しているため, その理解には包括的な検討が必要だと思われる. 今回のワークショップでも, ミクロからマクロにわたる極めて多様な観点から先端研究が紹介された.
ISSN:1340-766X