海馬CA1野の入力と出力逆伝搬の時間タイミング依存性LTP/LTD

「1. はじめに」 海馬CA1の神経回路網には, 短時間の高頻度刺激(テタヌス刺激)を与えるとその後シナプスの伝達効率が著しく増大し, その状態が長期間持続するという現象(長期増強:long-term potentiation:LTP)がある. BlissとLomo1)が海馬で初めてLTP現象を発見した. その後, Lynchら2)はTheta burst刺激で効果的にLTPを引き起こすことに成功した. さらに塚田3,4)らと相原5,6)らは刺激の時間パターンに依存してLTPが誘起されることを報告している. また, 逆に低頻度刺激を与えるとその後シナプスの伝達効率が著しく減少し, その状態が長...

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Veröffentlicht in:日本神経回路学会誌 2001/06/05, Vol.8(2), pp.57-64
Hauptverfasser: 小林, 祐喜, 島崎, 秀昭, 相原, 威, 塚田, 稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 海馬CA1の神経回路網には, 短時間の高頻度刺激(テタヌス刺激)を与えるとその後シナプスの伝達効率が著しく増大し, その状態が長期間持続するという現象(長期増強:long-term potentiation:LTP)がある. BlissとLomo1)が海馬で初めてLTP現象を発見した. その後, Lynchら2)はTheta burst刺激で効果的にLTPを引き起こすことに成功した. さらに塚田3,4)らと相原5,6)らは刺激の時間パターンに依存してLTPが誘起されることを報告している. また, 逆に低頻度刺激を与えるとその後シナプスの伝達効率が著しく減少し, その状態が長期間持続する現象(長期抑圧:long-term depression:LTD)がある7). これらLTP/LTDのシナプス伝達効率の変化は記憶形成の細胞レベルおよび神経回路レベルの基礎過程と考えられている.
ISSN:1340-766X
1883-0455
DOI:10.3902/jnns.8.57