多重マップモデルによる2種の情報の分離抽出

「1. はじめに」われわれが先に提案した連続多重マップは非線形主成分分析の能力がある可能性が示されていたが, これを3種類のデータに応用した結果を示す. もちいたデータは, 2種類の特徴をあわせもつようなものである. 例えば, 音程と音色の異なるいろいろな音を多数回提示し, 学習させたところ, 連続多重マップの第1層には, 音色に関わらず特定の音程に反応する細胞が順序よく形成され, 第2層には, 音程に関わらず特定の音色に反応する細胞が形成された. この学習には外部からの教師信号はもちいていない. これによって, 連続多重マップには複数の特徴をあわせもつ情報から特定の情報だけを分離抽出する能力...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本神経回路学会誌 1999/12/05, Vol.6(4), pp.196-202
Hauptverfasser: 光武, 眞意, 紀田, 馨, 和田, 浩司, 倉田, 耕治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」われわれが先に提案した連続多重マップは非線形主成分分析の能力がある可能性が示されていたが, これを3種類のデータに応用した結果を示す. もちいたデータは, 2種類の特徴をあわせもつようなものである. 例えば, 音程と音色の異なるいろいろな音を多数回提示し, 学習させたところ, 連続多重マップの第1層には, 音色に関わらず特定の音程に反応する細胞が順序よく形成され, 第2層には, 音程に関わらず特定の音色に反応する細胞が形成された. この学習には外部からの教師信号はもちいていない. これによって, 連続多重マップには複数の特徴をあわせもつ情報から特定の情報だけを分離抽出する能力があることが示された. また, 情報空間のこのような構造に基づいた汎化能力を示す実験や, KohonenのSOMとの比較分析もおこなった. 「2. 多重マップモデルと連続多重マップモデル」脳の高次領野が処理する情報は, 高次元空間の中に所々クラスタをなしているとし, 個々のクラスタは高々数個のパラメタで記述できるとし, こうした複数のクラスタが互いにほぼ無相関であるとする仮定は仮説として一応妥当なものであろう.
ISSN:1340-766X
1883-0455
DOI:10.3902/jnns.6.196