電極アレイ基板による神経回路活動の測定: 大脳皮質培養神経回路の可塑性

「1. はじめに」中枢神経系では, 多くの場合1つのニューロンが複数のニューロンから入力を受け取っている. 個々のニューロンは受け取った入力を統合してその結果をスパイク時系列として表現し, 他の細胞に伝える. 生体における情報処理は多数の細胞によって時間的, 空間的に分散されて表現されるこのスパイク列を利用して行われているものと考えられている. このようなニューロンの集団としての活動-神経回路活動-のモデル化に関する研究は近年進展著しい分野であるが, 実際の生体組織で起こっている現象については, 主として観測手段の制約により, これまでは必ずしも十分な知見が得られていなかった. 近年, 電子デ...

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Veröffentlicht in:日本神経回路学会誌 1999/03/05, Vol.6(1), pp.24-29
Hauptverfasser: 神保, 泰彦, 舘野, 高
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」中枢神経系では, 多くの場合1つのニューロンが複数のニューロンから入力を受け取っている. 個々のニューロンは受け取った入力を統合してその結果をスパイク時系列として表現し, 他の細胞に伝える. 生体における情報処理は多数の細胞によって時間的, 空間的に分散されて表現されるこのスパイク列を利用して行われているものと考えられている. このようなニューロンの集団としての活動-神経回路活動-のモデル化に関する研究は近年進展著しい分野であるが, 実際の生体組織で起こっている現象については, 主として観測手段の制約により, これまでは必ずしも十分な知見が得られていなかった. 近年, 電子デバイスあるいはデータ処理装置の技術的な進歩に伴って, 大量のデータを高速に収集, 処理することが容易に達成されるようになり, これを背景として多数のニューロンが発生する信号を同時に観測する手段が次々に開発されてきた.
ISSN:1340-766X
1883-0455
DOI:10.3902/jnns.6.24