特定の場面で生じる発声障害に対し我々の作成した質問紙を用い治療を行った8症例の報告
「はじめに」 近年, 診察室や音声治療場面で症状がみられず, 職場での接客場面や電話場面あるいは仕事以外でも緊張する場面など, 特定の場面のみで症状を生じる発声障害が散見されるが, その実態についての報告は少ない. 問診時の医師との会話を含め院内では症状がみられず, 日常生活場面の一部または複数場面で症状が生じており, 診断や治療に苦慮することが多い. 発話場面によって発話症状が変化する音声障害はこれまでにも諸外国で報告されている. Booneらは, 過緊張性発声障害は不安の程度により嗄声の状態が変化すると述べている. またGrayらは, 音声障害の患者の多くは, 声の使用量や使用時間, 発話...
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Veröffentlicht in: | 喉頭 2024/06/01, Vol.36(1), pp.57-63 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 近年, 診察室や音声治療場面で症状がみられず, 職場での接客場面や電話場面あるいは仕事以外でも緊張する場面など, 特定の場面のみで症状を生じる発声障害が散見されるが, その実態についての報告は少ない. 問診時の医師との会話を含め院内では症状がみられず, 日常生活場面の一部または複数場面で症状が生じており, 診断や治療に苦慮することが多い. 発話場面によって発話症状が変化する音声障害はこれまでにも諸外国で報告されている. Booneらは, 過緊張性発声障害は不安の程度により嗄声の状態が変化すると述べている. またGrayらは, 音声障害の患者の多くは, 声の使用量や使用時間, 発話場面の心理状態によって音声が変動するとしている. このことから, 発話場面や聴き手が変わると音声にも一貫性がなくなるということも述べている. これらの理由から診断のみならず, その治療方法も定まったものがなく, 音声治療では効果がみられなかったとの報告もある. |
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ISSN: | 0915-6127 2185-4696 |
DOI: | 10.5426/larynx.36.57 |