反回神経内転筋枝麻痺 (AdBP) に対する甲状軟骨形成術I型の治療効果

「はじめに」 反回神経内転筋枝麻痺(adductor branch paralysis; AdBP)は反回神経の内転筋枝麻痺により外側輪状披裂筋と甲状披裂筋に麻痺が生じ, 高度の嗄声をきたすことが多い. 部分的喉頭麻痺として甲状披裂筋麻痺とともにKonomiらが世界で初めて2016年に報告した. 後筋の収縮は正常なため声帯麻痺と診断されず後方脱臼と誤診されることも多い. しかし, three-dimension computed tomography (3DCT)を用いることで, 片側の声帯麻痺患者において吸気および発声時の披裂軟骨の位置によって麻痺声帯の内転および外転可動性を評価することがで...

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Veröffentlicht in:喉頭 2024-06, Vol.36 (1), p.38-42
Hauptverfasser: 西川玲央, 渡嘉敷亮二, 大場浩子, 塚原清彰
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 反回神経内転筋枝麻痺(adductor branch paralysis; AdBP)は反回神経の内転筋枝麻痺により外側輪状披裂筋と甲状披裂筋に麻痺が生じ, 高度の嗄声をきたすことが多い. 部分的喉頭麻痺として甲状披裂筋麻痺とともにKonomiらが世界で初めて2016年に報告した. 後筋の収縮は正常なため声帯麻痺と診断されず後方脱臼と誤診されることも多い. しかし, three-dimension computed tomography (3DCT)を用いることで, 片側の声帯麻痺患者において吸気および発声時の披裂軟骨の位置によって麻痺声帯の内転および外転可動性を評価することができ, 健側と比較することが可能である. 内視鏡所見に加えて3DCTや筋電図を併用することで, 喉頭筋の障害部位診断の一助となる.
ISSN:0915-6127