急性喉頭蓋炎との鑑別を要した多発血管炎性肉芽腫症の1例

「はじめに」抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎のうち, 多発血管炎性肉芽腫症(glanulomatosis with polyangiitis:GPA)は上気道領域に初発する事が多いため, 耳鼻咽喉科医が本疾患に精通する事は早期診断, 早期治療の観点から重要である. GPAの喉頭病変としては, 声門下の肉芽形成や潰瘍形成, 痂皮の付着などがあり, 特に瘢痕化による声門下狭窄はGPA全体の20%程度に認めるという報告もある. 今回我々は, 初診時に急性喉頭蓋炎との鑑別を要したGPAの1例を経験したので, 文献的考察を加...

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Veröffentlicht in:喉頭 2021/06/01, Vol.33(01), pp.31-36
Hauptverfasser: 小松田, 浩樹, 熊井, 琢美, 岸部, 幹, 高原, 幹, 片田, 彰博, 林, 達哉, 原渕, 保明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「はじめに」抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎のうち, 多発血管炎性肉芽腫症(glanulomatosis with polyangiitis:GPA)は上気道領域に初発する事が多いため, 耳鼻咽喉科医が本疾患に精通する事は早期診断, 早期治療の観点から重要である. GPAの喉頭病変としては, 声門下の肉芽形成や潰瘍形成, 痂皮の付着などがあり, 特に瘢痕化による声門下狭窄はGPA全体の20%程度に認めるという報告もある. 今回我々は, 初診時に急性喉頭蓋炎との鑑別を要したGPAの1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」症例:41歳 女性 主訴:咽頭痛, 呼吸苦 既往歴:なし 現病歴:受診の数か月前から労作時の軽度の息切れを自覚していた. 受診1週間前から喉の痛みが出現し, 徐々に増悪し呼吸苦も出現したため当科を受診した.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.33.31