水痘・帯状疱疹ウイルスによる喉頭麻痺の5例

「はじめに」水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus;VZV)は, 再活性化した際に帯状疱疹に加えて脳神経麻痺を引き起こすことがある. 耳鼻科領域では第VII・VIII脳神経麻痺をきたすRamsay Hunt症候群を日常臨床上でよく経験する. また, VZV再活性化により舌咽・迷走・舌下神経麻痺などの下位脳神経麻痺を来たすことが知られている. 嚥下障害の長期持続や誤嚥性肺炎, 脳炎, 髄膜炎を併発した症例の報告も散見される. VZVによる脳神経麻痺と診断された場合, 抗ウイルス薬とステロイド投与による治療が一般的である. しかし, 咽頭痛, 嗄声, 嚥下障害などの症...

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Veröffentlicht in:喉頭 2020/12/01, Vol.32(02), pp.189-194
Hauptverfasser: 鈴木, 詩織, 熊井, 琢美, 岸部, 幹, 高原, 幹, 坂東, 伸幸, 片田, 彰博, 林, 達哉, 原渕, 保明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus;VZV)は, 再活性化した際に帯状疱疹に加えて脳神経麻痺を引き起こすことがある. 耳鼻科領域では第VII・VIII脳神経麻痺をきたすRamsay Hunt症候群を日常臨床上でよく経験する. また, VZV再活性化により舌咽・迷走・舌下神経麻痺などの下位脳神経麻痺を来たすことが知られている. 嚥下障害の長期持続や誤嚥性肺炎, 脳炎, 髄膜炎を併発した症例の報告も散見される. VZVによる脳神経麻痺と診断された場合, 抗ウイルス薬とステロイド投与による治療が一般的である. しかし, 咽頭痛, 嗄声, 嚥下障害などの症状や, 粘膜疹, 喉頭麻痺などの所見が同時にみられない場合があり, 早期の診断や治療に苦慮することがある. 今回我々は, VZVによる喉頭麻痺をきたした5例を経験したので, それぞれの症例を提示し, 文献的な考察を加えて報告する.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.32.189